CentOS 5 しか選べない CloudCore VPS を CentOS 6 にしたらパフォーマンスが上がった
CloudCore VPS は、現状、CentOS 5.6 しか OS の選択肢がありませんが、CentOS 6.2 を自分でインストールすることはできます。
そこで、CentOS 6.2 をインストールし、PHPspeed でベンチマークしてみました。
ベンチマーク方法
標準の CentOS 5.6 を yum でアップデートした 5.7 と CentOS 6.2 をクリーンインストールしたものを使っています。どちらも使用しているリポジトリは CentOS 標準と epel のみです。
チューニングについては、以下の 2つのみしています。
PHPspeed は、公式のものだと PHP 5.3 では Notice エラーが出まくるので 1.0 beta3 を修正したものを使いました。
ベンチマークは、PHPspeed で各テストを 5回実施しました。
ベンチマーク環境
Cloud Core VPS CentOS 5 | Cloud Core VPS CentOS 6 | |
---|---|---|
CPU | AMD Phenom(tm) 9550 Quad-Core Processor | AMD Phenom(tm) 9550 Quad-Core Processor |
メモリ | 2GB (2010MB) | 2GB (2006MB) |
swap | 4095MB | 4095MB |
HDD | 100GB (97GB) | 100GB (99GB) |
OS | CentOS 5.7 (64bit) | CentOS 6.2 (64bit) |
PHP | 5.3.3 | 5.3.3 |
MySQL | 5.0.95 | 5.1.61 |
Apache | 2.2.3 | 2.2.15 |
- CPU は OS からは、そうみえるというだけです。
- メモリの () 内および swap は、free コマンドでの結果です。
- HDD の () 内は / パーティションの容量です。
ベンチマーク結果
スコアは値が高い方がよい結果になります。参考のため「さくらの VPS 512」での数字も掲載しています。
CentOS 5.7 と 6.2 の比較
CloudCore VPS での CentOS 5.7 と 6.2 での平均スコアの比較のグラフは以下のようになります。
いずれのテストでも CentOS 6.2 の方がよい数字が出ています。
さくらの VPS 512 と CloudCore VPS の比較
さくらの VPS 512 は標準の CentOS 6.2 をアップデートしたものです。サーバパッケージはどちらも同じように yum でインストールし、チューニングも同じです。
さくらの VPS 512 との平均スコアの比較のグラフは以下のようになりました。
Synthetic PHP (人工的な PHP のテスト)、Synthetic MySQL (人工的な MySQL のテスト) では CloudCore VPS のほうがよいスコアが出ています。特にクエリキャッシュが効いている場合のデータベース性能は、CloudCore が明らかに優れているようです。
他のテストではさくらの VPS がよいスコアを出しており、Real World PHP (現実的な PHP のテスト)、Real World PHP & MySQL (現実的な PHP & MySQL のテスト)、Server Benchmark (総合的なテスト) ではいずれもさくらが勝っています。
しかし、Real World PHP & MySQL (現実的な PHP & MySQL のテスト) のスコアはほぼ同じにまで改善されています。スコアの差は 1% ほどでした。