もし FuelPHP のバグを見つけたら (4)〜ドキュメントの修正を Pull Request する方法


(2012/07/14) この一連の記事をまとめ加筆修正しアップデートした電子書籍をリリースしました。よろしければ、ご覧ください → 『FuelPHP に貢献する方法』

の続きです。

前の記事を読んでいない場合は、先に読むことをお薦めします。

今日は、ドキュメントへの Pull Request の送り方について解説します。

ドキュメントの誤りを見つけた場合は、基本的には Pull Request することになります。そのほうが本家も修正が楽ですし。また、Pull Request の送り方は、前回説明したソースコードリポジトリへ送る場合と基本的に変わりません。ただし、コードとは違い sign-off は求められていないようです。

しかし、日本固有の事情として、日本語化のためのリポジトリと本家リポジトリの 2つのリポジトリがあり、また、GitHub では起源が同じリポジトリは 1つしか fork したリポジトリを持てません。

そのあたりのことについて解説します。

FuelPHP_docs_jp リポジトリを fork する

まず、日本語化のためのリポジトリGitHub の Web ページに行って fork します。

「Fork」ボタンを押して fork します。

以下のように自分のリポジトリが作成されました。

このままでも問題ありませんが、趣味の問題でリポジトリ名を「fuel-docs」に変更しておきます。「Admin」ボタンを押します。

「Repository Name」を変更し、「Rename」ボタンを押します。


警告がでますが、ボタンを押して進みます。


これでリポジトリ名が変更できました。

fork した自分のリポジトリを手許の PC に clone する

git clone します。

$ git clone git@github.com:kenjis/fuel-docs.git

Cloning into fuel-docs...
remote: Counting objects: 6789, done.
remote: Compressing objects: 100% (2354/2354), done.
remote: Total 6789 (delta 4542), reused 6529 (delta 4308)
Receiving objects: 100% (6789/6789), 2.15 MiB | 435 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (4542/4542), done.

FuelPHP_docs_jp リポジトリを remote リポジトリに追加します。名前は「nekoget」とします。

$ cd fuel-docs
$ git remote add nekoget git://github.com/NEKOGET/FuelPHP_docs_jp.git
$ git fetch nekoget

From git://github.com/NEKOGET/FuelPHP_docs_jp
* [new branch] 1.0/develop -> nekoget/1.0/develop
* [new branch] 1.0/master -> nekoget/1.0/master
* [new branch] 1.1/develop -> nekoget/1.1/develop
* [new branch] 1.1/develop_japanese -> nekoget/1.1/develop_japanese
* [new branch] 1.1/master -> nekoget/1.1/master
* [new branch] 1.1/master_japanese -> nekoget/1.1/master_japanese

本家リポジトリを remote リポジトリに追加します。名前は「upstream」とします。

$ git remote add upstream git://github.com/fuel/docs.git
$ git fetch upstream

From git://github.com/fuel/docs
* [new branch] 1.0/develop -> upstream/1.0/develop
* [new branch] 1.0/master -> upstream/1.0/master
* [new branch] 1.1/develop -> upstream/1.1/develop
* [new branch] 1.1/master -> upstream/1.1/master

バグ修正を commit する

Pull Request は開発ブランチに送る必要があります。現在は、1.1/develop になります。

1.1/develop ブランチを upstream/1.1/develop から作成します。

$ git checkout upstream/1.1/develop
$ git checkout -b 1.1/develop

バグ修正を commit する前に、Pull Request 用のブランチを作成します。1つの Pull Request ごとに必ず 1つのブランチを作成します。ブランチ名は何でも構いませんが、ここでは「fix_dbutil」というブランチ名にします。

$ git checkout -b fix_dbutil

バグを修正します。

変更したファイルを git add し、commit します。

GitHub へ push する前に

本家リポジトリを clone して、すぐに Pull Request を送る場合はいいのですが、時間が経つと本家での開発が進みます。

Pull Request を送る前に、本家の最新の状態に追随しておきましょう。

まず、1.1/develop を最新の状態にします。

$ git checkout 1.1/develop
$ git fetch upstream
$ git merge upstream/1.1/develop

1.1/develop での変更を Pull Request 用のブランチに取り込みます。

$ git checkout fix_dbutil
$ git rebase 1.1/develop

コンフリクトが起きなければこれで完了です。

運悪くコンフリクトが起きてしまった場合は、コンフリクトを修正して git add し、

$ git rebase --continue

として rebase を完了させてください。

GitHub へ push する

GitHub の自分のリポジトリに Pull Request 用のブランチを push します。

$ git push origin fix_dbutil

Counting objects: 9, done.
Delta compression using up to 2 threads.
Compressing objects: 100% (5/5), done.
Writing objects: 100% (5/5), 440 bytes, done.
Total 5 (delta 4), reused 0 (delta 0)
To git@github.com:kenjis/fuel-docs.git
* [new branch] fix_dbutil -> fix_dbutil

Pull Request を送る

GitHub にアクセスし、push したブランチを確認します。


ブランチが正しいことを確認し、「Pull Request」ボタンを押します。

このままだと FuelPHP_docs_jp へ Pull Requet を送ってしまいますので、「Change Commits」ボタンを押して変更します。


リポジトリとブランチを本家の 1.1/develop に合わせ、「Update Commit Range」ボタンを押します。


送付先が正しく本家に変更されました。

タイトルと本文を記入します。「Preview」タブを押せば、プレビューできます。typo などの修正は本文はなくてもわかるでしょう。

「Files Changed」タブを押せば、変更点を確認できます。

記入が完了したら、「Send pull request」ボタンを押すと Pull Request が送られます。

もし FuelPHP のバグを見つけたら (5)」へつづく。