Re:VIEW の使い方
(2014/03/10)「ReVIEW」から「Re:VIEW」に名前が変わりましたので、変更しました。
Re:VIEW とは?
Re:VIEW は、Wiki に似た簡易フォーマットで記述したテキストファイルから、PDF や EPUB などを生成できるドキュメントツールです。
公式の説明は以下にあります。
Re:VIEW 記法の簡単な説明は以下にあります。
とにかくあまり情報がありませんが、かなり優れたツールです。Ruby で書かれている LGPL なオープンソースソフトウェアです。
インストールする
Re:VIEW をインストールする
Re:VIEW 自体のインストールは簡単です。Git で clone し、パスを通せば完了です。
$ git clone git://github.com/kmuto/review.git
とし、review/bin にパスを通します。
LaTex をインストールする
PDF を生成する場合、TeX Live 2010 以上が必要なようです。
Mac では、
http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/herogw/
にある Additional Tools for MacTeX/TeXLive 2011 をインストールします。
Ubuntu 11.04 では以下のようにしました。
まず、TeX Live 2011 をインストールします。
http://www.tug.org/texlive/acquire-netinstall.html より http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz をダウンロードします。
$ wget http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz $ tar xvf install-tl-unx.tar.gz $ cd install-tl-20110924 $ sudo ./install-tl
/usr/local/bin にシンボリックリンクを張ります。
$ sudo /usr/local/texlive/2011/bin/i386-linux/tlmgr path add
otf.sty をインストールします。
$ wget http://ftp.kddilabs.jp/TeX/ptex-win32/current/otfbeta.tar.xz $ tar xvf otfbeta.tar.xz $ cd share/texmf/ $ sudo cp -Rv * /usr/local/texlive/texmf-local/ $ sudo mktexlsr
jumoline.sty をインストールします。
$ wget http://www.htc.nagoya-u.ac.jp/~yamamoto/lecture/tex/stylemacro/jumoline.sty $ sudo cp -p jumoline.sty /usr/local/texlive/texmf-local/tex/platex/misc $ sudo mktexlsr
cid-x.map を変更します。
$ sudo vi /usr/local/texlive/2011/texmf/fonts/map/dvipdfmx/cid-x.map
--- cid-x.map.orig 2009-08-23 09:26:55.000000000 +0900 +++ cid-x.map 2011-09-25 16:05:17.297504807 +0900 @@ -147,3 +147,19 @@ %% http://ftp.netscape.com/pub/communicator/extras/fonts/windows/ReadMe.htm %cyberb@Unicode@ unicode cyberbit + + +hminr-h H Ryumin-Light +hminr-v V Ryumin-Light +otf-ujmr-h UniJIS-UTF16-H Ryumin-Light +otf-ujmr-v UniJIS-UTF16-V Ryumin-Light +otf-cjmr-h Adobe-Japan1-6 Ryumin-Light +otf-cjmr-v Identity-V Ryumin-Light + +hgothr-h H GothicBBB-Medium +hgothr-v V GothicBBB-Medium +otf-ujgr-h UniJIS-UTF16-H GothicBBB-Medium +otf-ujgr-v UniJIS-UTF16-V GothicBBB-Medium +otf-cjgr-h Adobe-Japan1-6 GothicBBB-Medium +otf-cjgr-v Identity-V GothicBBB-Medium +
ドキュメントを作成する
フォルダを作成し、ドキュメントを作成します。フォルダ構成は以下のようになります。
sample/ ├── ch01.re ├── ch02.re ├── CHAPS ├── sample.css ├── sample.yaml ├── images/ └── sty/
上記では、sample というフォルダに ch01.re、ch02.re という ReVIEW ファイルがあります。これらのファイルに章別の文章を書いていきます。
CHAPS ファイルは章を定義するファイルです。ReVIEW ファイルを順に記述するだけのテキストファイルです。
sample.yaml は、EPUB や PDF を生成するための設定ファイルです。review/docs フォルダにサンプルが含まれています。
sty フォルダは PDF を生成する際ないとエラーになります。
PDF を生成するには、以下のようにします。引数に設定ファイルを指定します。
review-pdfmaker sample.yaml
EPUB を生成するには、以下のようにします。引数に設定ファイルを指定します。
review-epubmaker sample.yaml
画像ファイルを埋め込む
現在のところ画像フォルダは「images」に決め打ちされています。ファイル構成は以下のようになります。
sample/ ├── ch01.re ├── ch02.re ├── CHAPS ├── images/ │ └── ch01-capture12.jpg └── sty/
ここで、ch01.re という ReVIEWファイル内で、
//image[capture12][キャプション]
と書くと、
images/ch01-capture12.拡張子
のファイルを探すことになります。拡張子は普通は jpeg、png になります。Re:VIEW の検索対象は、現在、eps、ai、tif、tiff、png、bmp、jpg、jpeg、gif、svg となっています。
つまり、画像のファイル名は、
「ReVIEW ファイル名(拡張子なし)」 - 「ID」 . 「拡張子」
となります。ここで、ID(ここでは capture12)は任意ですが、ファイル名を構成するパーツとなりますので、あまり変なものは使えません。
また、1つの ReVIEWファイル内ではそれぞれ固有にしておく必要があります。ch01.re と ch02.re では名前空間は別ということになります。
PDF の画像を埋め込む
texmf.cnf の shell_escape_commands に extractbb を追加します。
--- /usr/local/texlive/2011/texmf/web2c/texmf.cnf.orig 2011-08-29 03:16:32.000000000 +0900 +++ /usr/local/texlive/2011/texmf/web2c/texmf.cnf 2012-02-10 13:28:17.859777770 +0900 @@ -500,6 +500,7 @@ kpsewhich,\ makeindex,\ repstopdf,\ +extractbb,\ % we'd like to allow: % dvips - but external commands can be executed, need at least -R1.
画像ファイルを章別に配置する
images/ch01-capture12.拡張子
ではなく、
images/ch01/capture12.拡張子
のように配置するには、設定の YAML ファイルの params に「--subdirmode」を追加します。
params: --stylesheet=sample.css --subdirmode
PDF でコラムの中で脚注を使う
PDF では、コラムの中で脚注が使えません。これは LaTeX の制約だそうです。回避策としては、
1. まず //footnote をセクションの外に出す
===[column] コラムのサンプル あいうえお@<fn>{a}。 ===[/column] //footnote[a][かきくけこ。]
2. 次に設定の YAML ファイルの params に「--footnotetext」を追加する
これでコラムのなかでも脚注が使えるようになります。
ただ、通常の脚注(footnote)ではなく、footnotemark & footnotetext を使うため、本文と脚注が別ページに分かれる可能性がある、リンクでなくなるなど、いろいろ制約があります。
プリプロセッサで展開するファイルのタブ幅を変更する
プリプロセッサで展開するファイルの中のタブはスペースに変換されます。標準では 8文字ですが、変更した場合は、以下のようにします。
diff --git a/lib/review/preprocessor.rb b/lib/review/preprocessor.rb index 2ddc271..d629363 100644 --- a/lib/review/preprocessor.rb +++ b/lib/review/preprocessor.rb @@ -532,7 +532,7 @@ module ReVIEW end def canonical(line) - detab(line).rstrip + "\n" + detab(line, 4).rstrip + "\n" end def check_type(type)
参考文献を表示する
参考文献は bib.re ファイルを作成し、以下のように記載します。
//bibpaper[lins][キャプション]{..コメント..}
ここで lins は ID です。
= 参考文献 //bibpaper[lins][Lins, 1991]{ Refael D. Lins. A shared memory architecture for parallel study of algorithums for cyclic reference_counting. Technical Report 92, Computing Laboratory, The University of Kent at Canterbury , August 1991 //}
そして、POSTDEF ファイルを作成し bib.re と記載します。
本文中からは @